「リゾートで仕事をしながら休暇も楽しむ」そんなワーケーションが、単なるトレンドではなく企業の生産性向上と人材定着の切り札として本格的に注目されています。NTTデータ経営研究所の調査では、ワーケーション実施者の仕事のパフォーマンスが約20%向上し、しかもその効果が5日間持続するという驚きの結果が報告されました。
しかし「導入したいけれど、労務管理はどうするのか」「就業規則の変更は必要なのか」といった不安を抱える企業も少なくありません。この記事では、ワーケーションの基本概念から導入ステップ、労務管理上の注意点、そしておすすめの施設選びまで、企業担当者が知るべきすべてを網羅的に解説します。
ワーケーションとは何か
ワーケーションとは「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、リゾート地や観光地などの普段とは異なる環境で、テレワークをしながら余暇も楽しむ働き方を指します。2020年以降のリモートワーク普及に伴い、日本でも導入する企業が急増しました。観光庁の調査によると、ワーケーションの認知率は2024年時点で約80%に達しており、実施意向のある企業は年々増加傾向にあります。
ワーケーションにはいくつかのタイプがあり、企業の目的や従業員のニーズに応じて使い分けることが重要です。
| タイプ | 内容 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 休暇活用型 | 有給休暇の前後にリモートワーク日を追加 | ワークライフバランス向上 |
| 合宿型 | チームで地方施設に滞在し集中作業 | チームビルディング・創造性向上 |
| サテライトオフィス型 | 地方のコワーキング施設を利用 | 集中作業・気分転換 |
| ブレジャー型 | 出張の前後に休暇を追加 | 出張疲れの軽減・モチベーション向上 |
企業によっては複数のタイプを組み合わせて制度設計するケースもあります。たとえば、普段は休暇活用型を個人の裁量に任せつつ、四半期に一度はチーム合宿型を実施するという運用は、生産性と組織力の両方を高められる理想的なアプローチです。

ワーケーション導入のメリット
ワーケーションのメリットは「従業員が喜ぶ」だけではありません。経営面でも具体的な効果が実証されています。NTTデータ経営研究所が実施した実証実験では、ワーケーション期間中の従業員のパフォーマンスが約20%向上し、その効果はワーケーション終了後も5日間にわたって持続しました。さらにストレス値の低下や心身のリフレッシュ効果も確認されています。
こうした調査結果を踏まえると、ワーケーションは「福利厚生のコスト」ではなく「生産性向上のための投資」と捉えるべきでしょう。
| メリット | 具体的な効果 | 影響を受ける指標 |
|---|---|---|
| 生産性向上 | パフォーマンス約20%向上(NTTデータ研究所調査) | 業務効率・アウトプット品質 |
| 効果の持続性 | ワーケーション後も5日間効果が持続 | 中長期的な生産性 |
| ストレス軽減 | 自然環境での勤務で心身リフレッシュ | 離職率・メンタルヘルス |
| 人材確保 | 柔軟な働き方が採用競争力に直結 | 応募数・内定承諾率 |
| 有給取得促進 | ワーケーションをきっかけに有給消化率が向上 | 働き方改革指標 |
| 地域活性化 | 地方自治体との連携でCSR効果 | 企業ブランディング |
「うちの部署でワーケーションを導入したところ、有給取得率が前年比で30%上がった」という企業担当者の声もあります。有給を取りにくいと感じていた社員も、ワーケーションという名目があることで気兼ねなく休暇を取れるようになるという副次的な効果も見逃せません。
ワーケーション導入のデメリットと対策
メリットばかりを強調するのはフェアではありません。ワーケーション導入には現実的な課題もあり、事前に対策を講じることが成功の鍵となります。特に中小企業では「人が少ないからリモートは難しい」「セキュリティが心配」といった声が上がりがちです。しかし、これらの課題は適切な制度設計とツール導入で十分に克服可能です。
| デメリット | 具体的な課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 労務管理の複雑化 | 勤務時間の把握が困難 | 勤怠管理ツール導入、コアタイム設定 |
| セキュリティリスク | 公共Wi-Fi利用による情報漏洩 | VPN必須化、端末管理ポリシー策定 |
| コミュニケーション低下 | 対面でのすり合わせが減少 | 朝夕の定時ミーティング、チャットツール活用 |
| コスト負担 | 宿泊費・交通費の負担区分 | 福利厚生サービス活用で大幅コストダウン |
| 不公平感 | 現場勤務者との待遇差 | 職種別制度設計、現場向け別制度の用意 |
| 仕事と休暇の境界曖昧化 | 常に仕事モードから抜けられない | 業務時間の明確化、中抜け制度の導入 |
特にコスト面については、個人で宿泊先を手配するよりも法人向け福利厚生サービスを活用する方が圧倒的にお得です。たとえば全国400施設以上を最大80%OFFで利用できる法人向け会員制サービスを導入すれば、一人あたりの宿泊コストを大幅に抑えながらワーケーションの選択肢も広げることができます。
導入ステップと就業規則のポイント
ワーケーションを「なんとなく」始めてしまうと、トラブルの原因になりかねません。制度として定着させるためには、段階的な導入プロセスを踏むことが重要です。ここでは実際に導入に成功した企業に共通する5つのステップを紹介します。
| ステップ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 経営層への提案・承認(目的・KPI設定) | 1〜2ヶ月 |
| ステップ2 | 就業規則・社内規程の改定(労務管理ルール策定) | 1〜2ヶ月 |
| ステップ3 | トライアル実施(限定部署・期間で試験運用) | 2〜3ヶ月 |
| ステップ4 | 効果検証・フィードバック収集 | 1ヶ月 |
| ステップ5 | 全社展開・制度化 | 1〜2ヶ月 |

就業規則の改定にあたっては、以下の項目を明確にしておく必要があります。曖昧な制度のまま運用を開始すると、労使間のトラブルや不公平感につながるリスクがあるため注意しましょう。
| 規定項目 | 記載すべき内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 対象者 | 職種・勤続年数・等級の条件 | 全社員一律でなくてもよい |
| 実施場所 | 利用可能な施設・エリアの条件 | Wi-Fi環境・セキュリティ要件を明記 |
| 勤務時間 | コアタイム・フレックスの有無 | 中抜け時間の取り扱いを明記 |
| 費用負担 | 交通費・宿泊費・通信費の負担区分 | 上限額と精算方法を明記 |
| 申請方法 | 事前申請の期限・承認フロー | 上長承認+人事部確認が一般的 |
| 労災の取り扱い | 業務中の事故・怪我への対応 | 私的時間との切り分けを明確化 |
労務管理のポイントと法的注意事項
ワーケーション導入で最も企業が頭を悩ませるのが労務管理です。テレワークとは異なり、ワーケーションでは「勤務時間」と「休暇時間」が同じ日に混在する可能性があります。この点を適切に管理しなければ、残業代の未払いや36協定違反といった法的リスクを招きかねません。
勤怠管理については、位置情報付きの打刻アプリやPC稼働ログを組み合わせて客観的な記録を残す方法が主流です。「自己申告制のみ」は労基署から指摘を受けるリスクがあるため、複数の管理手法を組み合わせることを推奨します。
| 管理項目 | 推奨ツール・方法 | 留意点 |
|---|---|---|
| 勤怠打刻 | クラウド型勤怠管理ツール(KING OF TIME等) | GPS打刻で所在地も記録 |
| 作業報告 | 日次レポート+チャットでの共有 | 成果物ベースの評価と併用 |
| コアタイム管理 | ビデオ会議ツールの在席確認 | 10:00〜15:00をコアタイムにする例が多い |
| 中抜け管理 | 開始・終了を都度打刻 | 観光・食事等の私的時間を明確に分離 |
| セキュリティ | VPN接続+端末ロック+暗号化 | 公共Wi-Fi禁止、テザリング推奨 |
おすすめワーケーション施設の選び方
ワーケーションの成否は施設選びにかかっていると言っても過言ではありません。「景色は最高だけどWi-Fiが不安定」「集中できる作業スペースがない」では業務に支障が出てしまいます。施設を選ぶ際は、リゾートとしての魅力だけでなく、ビジネスインフラの整備状況を必ず確認しましょう。
| 選定基準 | 確認ポイント | 推奨スペック |
|---|---|---|
| 通信環境 | Wi-Fi速度・有線LAN | 下り50Mbps以上、バックアップ回線あり |
| 作業スペース | デスク・チェアの品質 | 長時間作業対応のオフィスチェア |
| 会議環境 | 個室・防音ブース | ビデオ会議可能な遮音性 |
| 電源環境 | コンセント数・USB充電 | 1人2口以上 |
| 立地 | 空港・駅からのアクセス | 主要空港・駅から2時間以内 |
| リフレッシュ施設 | 温泉・プール・自然環境 | 業務後に心身をリフレッシュできる環境 |
国内のワーケーション人気エリアとしては、沖縄・北海道・長野・和歌山白浜・宮崎などが挙げられます。特に自治体がワーケーション推進に力を入れているエリアでは、補助金制度やモニタープランが用意されていることも多いため、情報収集しておくとコストを抑えた導入が可能です。

Resort Worxで法人ワーケーションを最適化する
ワーケーション施設を個別に探して契約するのは、企業にとって大きな手間です。施設ごとに料金交渉をし、請求処理を行い、品質も確認しなければなりません。こうした課題を一括で解決できるのが、法人向け会員制宿泊サービス「Resort Worx」です。
Resort Worxは全国400施設以上と提携しており、ワーケーション対応のリゾートホテルや温泉旅館を最大80%OFFの会員価格で利用できます。しかも従業員だけでなく2親等以内の親族も利用可能なため、福利厚生としての満足度が非常に高い点が特長です。
| 項目 | Resort Worxの内容 |
|---|---|
| 提携施設数 | 全国400施設以上(ワーケーション対応多数) |
| 割引率 | 最大80%OFF |
| 料金体系 | 50名以下:月額49,000円、51〜100名:月額79,000円 |
| 利用対象者 | 従業員+2親等の親族 |
| ワーケーション対応 | Wi-Fi完備・作業スペースありの施設を検索可能 |
| 契約形態 | 法人一括契約、個別精算不要 |
月額49,000円で全従業員とその家族が利用できるため、従業員50名の企業なら一人あたり月額わずか980円のコストで全国のリゾート施設を割引利用できる計算です。ワーケーション制度の導入と福利厚生の充実を同時に実現できるため、「制度はつくったが利用する施設がない」という事態を避けることができます。
デジタルノマド的な働き方に興味がある方は、デジタルノマド完全ガイドもあわせてご覧ください。
ワーケーション成功のためのチェックリスト
最後に、ワーケーション導入を成功させるためのポイントを整理します。制度設計・施設選び・運用ルールの3つを押さえれば、ワーケーションは企業にとって強力な武器になります。「まずは小さく始めて、成果を見ながら拡大する」というアプローチが最も失敗リスクが低く、多くの企業で採用されています。
| チェック項目 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| 経営層の理解と承認 | 目的とKPIを明確化して提案 | 最優先 |
| 就業規則の改定 | 勤務時間・費用負担・申請フローの明記 | 最優先 |
| セキュリティポリシー | VPN・端末管理・情報取扱いルールの策定 | 高 |
| 施設の選定と契約 | 法人向けサービスの活用でコスト最適化 | 高 |
| トライアル実施 | 限定部署で2〜3ヶ月の試験運用 | 中 |
| 効果測定の仕組み | アンケート+定量データでの評価 | 中 |
| 全社展開と定着化 | 成功事例の社内共有、マニュアル整備 | 中 |
福利厚生としてのワーケーション環境を整えるなら、法人向け福利厚生で宿泊費を削減する方法もぜひ参考にしてください。会員制旅行サービスを活用すれば、導入コストを大幅に抑えながら従業員満足度の高いワーケーション制度を構築できます。
ワーケーション先の宿泊を個人でも安くする方法
ワーケーションは会社の制度として導入するだけでなく、個人で実践することもできます。フリーランスや個人事業主の方が自費でワーケーションをする場合、個人向け会員制旅行サービスを活用すれば宿泊費を大幅に抑えられます。
バリ島のヴィラに1泊数千円で滞在しながらリモートワーク、ということも現実的な選択肢です。
よくある質問
Q. ワーケーション中の労災はどうなりますか?
ワーケーション中の労災については、業務時間中の事故であれば通常の労災保険が適用されます。ただし、業務時間外(観光やレジャー中)の怪我は労災の対象外です。そのため、就業規則で業務時間と私的時間を明確に区分し、勤怠記録で客観的に証明できる仕組みを整えておくことが不可欠です。万が一に備えて、企業側で追加の傷害保険に加入しておくことも検討しましょう。
Q. ワーケーションの費用は誰が負担しますか?
費用負担の考え方は企業によってさまざまですが、一般的には「交通費は会社負担、宿泊費は一部補助、食事・レジャー費は自己負担」というパターンが多いです。Resort Worxのような法人向け宿泊サービスを活用すれば、会員価格で宿泊費を大幅に抑えられるため、会社側の補助額を低く設定しても従業員の負担感が少なくなるメリットがあります。
Q. 小規模な会社でもワーケーションを導入できますか?
もちろん可能です。むしろ小規模企業の方が意思決定が速く、柔軟な運用ができるため導入しやすい面があります。就業規則の改定も大企業ほど大がかりにならず、まずは「月に1〜2日、好きな場所でリモートワーク可」というシンプルなルールから始めるのがおすすめです。50名以下であれば月額49,000円の法人向け宿泊サービスを活用することで、コスト面のハードルも大きく下がります。
Q. ワーケーションの効果をどう測定すればよいですか?
効果測定には定量・定性の両面からアプローチすることが重要です。定量面では有給取得率、離職率、従業員満足度調査のスコアなどを追跡します。定性面では実施後のアンケートで「集中度」「リフレッシュ感」「チームワークへの影響」などを5段階で評価してもらう方法が一般的です。NTTデータ経営研究所のようにパフォーマンス指標を計測する方法もありますが、まずは従業員の主観的な満足度と有給取得率の変化を見るところから始めるのが現実的です。